故郷とは異なる雪の降る場所で/風城国子智

   音も無く、ただただ白く降り積もる雪を、サシャが羽織るマントの隙間から見つめる。  雷鳴、窓硝子を強く叩く氷の音。トールが知っている雪は、音を立てて降るもの。しかしこの場所では。サシャが着ているエプロンの胸元に位置す… 続きを読む 故郷とは異なる雪の降る場所で/風城国子智