冠雪/PAULA0125

   酷い雪の日だったと思う。 旅の途中で寄った城で、まだ疲れがとれていなかった。 「教皇(パパ)さま、教皇(パパ)さま、客人ですよ。ハインリヒがやってきました。使いではないんです。本人なんです」  言われるが… 続きを読む 冠雪/PAULA0125

八日雪/PAULA0125

   昨日まで晴れていたのに、空が泣いている。  降り注ぐ炎が、涙を凍らせた朝を思い出す。 罪を濯ぐ炎が、光を消した夜を思い出す。 「どうした、坊主。 今のご時世、教会は施しはやってないんだ。 来年からは、もう… 続きを読む 八日雪/PAULA0125